調理班の女子たちは喫茶店のメニューになる予定のお菓子作り、男子は看板づくりなどの力仕事に分かれて作業をした。
パウンドケーキやクッキー、ガトーショコラなど、あれやこれやと調理室で料理をしながら、ワイワイと楽しくあっという間に時間は過ぎる。

結局作業は3時を過ぎそうだったので大会前なので一日部活いかないのは部員にも悪いと思った結果、私は二時過ぎに一度部活に戻り、一時間ほど雑務をこなしながらメンバーのテーピング、洗濯などを済ました。



「ヒナセからいい匂いするわ」

「ずっとお菓子作ってたんです」

「めっちゃ女子みたいなことするやん」

「いや、女子ですからねわたしも!」


先輩や同じクラスの部員にちょっかいをかけられるのはしょっちゅうのことで、わたしは全く女子扱いを受けていない。
中学では自分がバスケをしてたのもあって、体力はそれなりにあるし、こうやってちょっかいをかけてつっかかるので可愛げは確かにない。


「クラスどんくらい進んでた?」

「結構進んでたから、あと1日かけて全部やるか午前だけを2回とかで終わるかな」

「俺も行きたかったなー」

「まだやってるから、行く?私ぜんぶ荷物あっちなんだよね」

「お、じゃあ行こうぜ」


部活を切り上げて同クラの部員たちと一緒に教室に戻る。
クラスではあまり話さない部員だけど、部活ではよく喋るし2年目にもなれば結構仲がいいのだ。

教室に揃って戻れば、もう帰りの支度を始めているところだった。男子の輪にすぐに向かった彼らを見送って、試作のお菓子を分けて配っている涼子のもとに行く。