涼子は疑い深く私と剛くんをチラチラ見合っていたけれど、剛くんがへらへらしているので大したことないと思ったのだろう、すぐにけろっと戻った。
蒼伊は対して気にしてなさそうだ。



「さ、とっとと帰って準備すっかー」

「わたしお腹空いたんだけど」

「試作品作るんならそれ食えばよくない?」

「お昼にしては少なくない?」

「じゃ終わったらラーメン食い行こうぜ」

「またラーメン?」



剛くんと涼子がそんな話をしながら先を行く。さらっと涼子の荷物を剛くんが持っていて、スマートだなと思った。
それから私の荷物まで持ってくれようとするから、そんなに重くないしと断る。そしたら、黙ったまま蒼伊が私の荷物を持っていった。



「え、ありがとう」

「剛が持って俺が持たなかったら工藤になんか言われそうだから」

「ちょっと菊池聞こえてんだけど。そういうのは何も言わずに黙って持ちなさいよ」



涼子が振り返って蒼伊に文句を言えばめんどくさそうな顔をしてしっしと手を払う。

やっぱり、相性はよくなさそう。
仲良くなってくれたら、嬉しいんだけどな。




「ねえ」

「なに」

「今日も屋上行くの?」



荷物持ってもらってしまって、手持ち無沙汰な私は、なぜかあんまり機嫌がよくなさそうな蒼伊の隣を歩いていた。
やっぱり買い出し班になったことが不服だったのだろうか。

もうお昼に近い時間になっていた。このままじゃ部活のほうがクラスよりも先に終わりそうだし、今日は屋上に行けるかも。そう思ったから聞いているのに。