営業本部長のオフィスは、3Fではなく役員フロアにあった。
「本部長は専務が兼任されてるから。」
河北さんが説明してくれる。現場の営業所勤めの人間にとっては、会社の役員なんて、たまに視察に来た時に見掛けるくらいで、直接会話を交わすことなどほぼない。やはり本社スタッフともなれば、違うもんだなんて思っている内に、目的地に到着する。
河北さんに続いてオフィスに入ると、これまた絵に描いたような「THE秘書」といった雰囲気の女性がにこやかに迎えてくれ、すぐに
「河北室長がお見えになりました。」
と執務室の専務に報告する。
「お入りいただいて下さい。」
返って来たのは女性の声だった。今時、専務が女性だからと言って、驚くことはない。でもその声に明らかに聞き覚えがあることに俺は驚いた、いや動揺した。
「行くよ。」
そんな俺の様子に気付くことなく、室長はそう言って、執務室の扉を開く。
「失礼します。本日、着任いたしました沖田くんを挨拶にお連れしました。」
「ご苦労様でした。お待ちしてました、沖田さん。」
そう言って、ニッコリと微笑んで俺を迎えたのは白鳥唯。間違いなく、俺の元カノだった。
言葉を失っている俺に
「どうしたの?専務にご挨拶を。」
促すような言葉を掛ける河北さん。ハッと我に返った俺は
「本日より営業本部総合企画室に着任いたしました沖田総一郎です、よろしくお願いします。」
そう言って慌てて、頭を下げた。
「本部長は専務が兼任されてるから。」
河北さんが説明してくれる。現場の営業所勤めの人間にとっては、会社の役員なんて、たまに視察に来た時に見掛けるくらいで、直接会話を交わすことなどほぼない。やはり本社スタッフともなれば、違うもんだなんて思っている内に、目的地に到着する。
河北さんに続いてオフィスに入ると、これまた絵に描いたような「THE秘書」といった雰囲気の女性がにこやかに迎えてくれ、すぐに
「河北室長がお見えになりました。」
と執務室の専務に報告する。
「お入りいただいて下さい。」
返って来たのは女性の声だった。今時、専務が女性だからと言って、驚くことはない。でもその声に明らかに聞き覚えがあることに俺は驚いた、いや動揺した。
「行くよ。」
そんな俺の様子に気付くことなく、室長はそう言って、執務室の扉を開く。
「失礼します。本日、着任いたしました沖田くんを挨拶にお連れしました。」
「ご苦労様でした。お待ちしてました、沖田さん。」
そう言って、ニッコリと微笑んで俺を迎えたのは白鳥唯。間違いなく、俺の元カノだった。
言葉を失っている俺に
「どうしたの?専務にご挨拶を。」
促すような言葉を掛ける河北さん。ハッと我に返った俺は
「本日より営業本部総合企画室に着任いたしました沖田総一郎です、よろしくお願いします。」
そう言って慌てて、頭を下げた。


