◇ ◇
辞令発令から2週間が過ぎた。俺は今、「SHIRATORIホールディングス」の本社ビルの前にいる。不動産管理や観光リゾ-ト開発の世界で、日本有数の企業であった「SHIRATORIカンパニ-」は創業家三代目の白鳥伸社長の下、複数の企業を傘下に収めて、今や「白鳥コンツェルン」との異名をとる程の企業グル-プに成長していた。
俺の勤めるサーチ引越センターも数年前に子会社となり、その本社はこのビルの中にある。今日から、ここが俺の職場になるのだ。立派としか言いようがない建物を見上げ、俺は思わずフッと息をついた。
実は俺がここに来るのは初めてではない。3年前、新卒で入った会社を辞め、プ-太郎だった俺は懸命の求職活動の末、ようやくサーチの最終面接まで辿り着き、ここを訪れた。緊張の面持ちで中に入った俺は、その時、白鳥唯とまさかの再会を果たして、凝然とさせられてしまうことになった。
そして・・・当たり前だが、彼女は今もこの建物の中にいる。正直に言えば、別に彼女に未練があるとかじゃないんだけど、それでも、顔を合わせることがあれば、心穏やかではいられないだろう。
だからと言って、辞令拒否など出来るはずもないし、彼女とは所属する会社も違えば、それ以上に立場が全く違う。だから仕事上の接触などあろうはずもない。もちろん同じビルの中で、たまたま出くわすこともあるかもしれないが、その時は普通に挨拶を交わせばいいだけのことだ。
結局、これまで何度も辿り着いた結論を改めて胸に刻み、俺は中に入って行った。にこやかに迎えてくれた受付嬢に、自分の名前と所属を申告し、本日より着任した旨を告げると
「本日からよろしくお願いします。サーチさんの事務所は3Fフロアになりますので、エレベ-タ-を降りたら、そのまま営業本部総合企画室の河北室長をお訪ね下さい。」
と教えてくれる。
辞令発令から2週間が過ぎた。俺は今、「SHIRATORIホールディングス」の本社ビルの前にいる。不動産管理や観光リゾ-ト開発の世界で、日本有数の企業であった「SHIRATORIカンパニ-」は創業家三代目の白鳥伸社長の下、複数の企業を傘下に収めて、今や「白鳥コンツェルン」との異名をとる程の企業グル-プに成長していた。
俺の勤めるサーチ引越センターも数年前に子会社となり、その本社はこのビルの中にある。今日から、ここが俺の職場になるのだ。立派としか言いようがない建物を見上げ、俺は思わずフッと息をついた。
実は俺がここに来るのは初めてではない。3年前、新卒で入った会社を辞め、プ-太郎だった俺は懸命の求職活動の末、ようやくサーチの最終面接まで辿り着き、ここを訪れた。緊張の面持ちで中に入った俺は、その時、白鳥唯とまさかの再会を果たして、凝然とさせられてしまうことになった。
そして・・・当たり前だが、彼女は今もこの建物の中にいる。正直に言えば、別に彼女に未練があるとかじゃないんだけど、それでも、顔を合わせることがあれば、心穏やかではいられないだろう。
だからと言って、辞令拒否など出来るはずもないし、彼女とは所属する会社も違えば、それ以上に立場が全く違う。だから仕事上の接触などあろうはずもない。もちろん同じビルの中で、たまたま出くわすこともあるかもしれないが、その時は普通に挨拶を交わせばいいだけのことだ。
結局、これまで何度も辿り着いた結論を改めて胸に刻み、俺は中に入って行った。にこやかに迎えてくれた受付嬢に、自分の名前と所属を申告し、本日より着任した旨を告げると
「本日からよろしくお願いします。サーチさんの事務所は3Fフロアになりますので、エレベ-タ-を降りたら、そのまま営業本部総合企画室の河北室長をお訪ね下さい。」
と教えてくれる。


