そんな事態を避けるため、私たちは午前中いっぱい電話を掛け続け、合間に目の前の書類を片づけているうちに、気が付けば昼休みになっていた。
私のアシスタントである二期下の河野茉莉と連れ立って省内食堂に向かっていると
「加奈ちゃん。」
と私を呼ぶ声がした。
振り返るまでもなく、その声の主がわかった私は笑顔を張り付けると
「山本秘書官、お疲れ様です。」
そう声を掛ける。
「だからさぁ、なんで大学の先輩に対して、そんなよそよそしい呼び方をして来るのかなぁ?」
ニヤつきながら、そんなことを言って来る男に
「一係長に過ぎない私が、大臣秘書官を学生時代のようにお呼び出来るはずがないって、何度も申し上げているはずです。」
内心のうんざりを押し隠して、あくまでにこやかに答える。
「俺がいいって言ってるんだから。」
「そうは参りません。周りの目もありますから。」
「固いな、相変わらず。まぁいいや、飯行くんだろ?」
「はい。」
「じゃ、一緒に行こうぜ。」
「よろしいんですか?大臣と一緒に召し上がらなくて。」
「親父のお守りは事務秘書官たちに任せときゃいいんだよ。だいたいあんなおっさんたちと飯食うより、加奈ちゃんや河野ちゃんと食った方がいいに決まってるだろう。」
「わかりました、ではお供させていただきます。」
私が答えると
「そうこなくっちゃ。」
秘書官は上機嫌で歩き出す。その後ろで、茉莉と一瞬顔を見合わせてため息を吐くと、後に続いた。
私のアシスタントである二期下の河野茉莉と連れ立って省内食堂に向かっていると
「加奈ちゃん。」
と私を呼ぶ声がした。
振り返るまでもなく、その声の主がわかった私は笑顔を張り付けると
「山本秘書官、お疲れ様です。」
そう声を掛ける。
「だからさぁ、なんで大学の先輩に対して、そんなよそよそしい呼び方をして来るのかなぁ?」
ニヤつきながら、そんなことを言って来る男に
「一係長に過ぎない私が、大臣秘書官を学生時代のようにお呼び出来るはずがないって、何度も申し上げているはずです。」
内心のうんざりを押し隠して、あくまでにこやかに答える。
「俺がいいって言ってるんだから。」
「そうは参りません。周りの目もありますから。」
「固いな、相変わらず。まぁいいや、飯行くんだろ?」
「はい。」
「じゃ、一緒に行こうぜ。」
「よろしいんですか?大臣と一緒に召し上がらなくて。」
「親父のお守りは事務秘書官たちに任せときゃいいんだよ。だいたいあんなおっさんたちと飯食うより、加奈ちゃんや河野ちゃんと食った方がいいに決まってるだろう。」
「わかりました、ではお供させていただきます。」
私が答えると
「そうこなくっちゃ。」
秘書官は上機嫌で歩き出す。その後ろで、茉莉と一瞬顔を見合わせてため息を吐くと、後に続いた。


