Thirty’s

GWの銀座は、多くの人で賑わっている。


ブランドショップのショーウインドーを眺めたりしながら、私たちもゆっくり歩いていく。


「加奈、最近買い物してる?」


総一郎が私を見る。


「ううん。もともとそんなに好きじゃないし、悠や由夏たちと出掛ける機会もなくなっちゃったから余計にね。」


首を振る私。


「忙しいもんな。」


「うん。それに、今は何を買うにしても、ネットで間に合っちゃうし。」


「なんか、らしいな。」


「どういう意味?」


思わず睨むように彼を見上げると


「いや、褒めてるんだよ。」


「どこが?」


「ははは。」


総一郎は楽しそうに笑った。


「じゃ、今日はゆっくり服でも見なよ。」


「ありがとう。でも、それより・・・。」


「どうした?」


「あれ。」


と言って、私が指差した先にあったのはアイスクリームのお店。


「食べる?」


総一郎が尋ねる。


「食べたい!」


「わかった。でも昼飯前だから、シングルな。」


「えっ~。」


唇を尖らせる私に


「ご飯をちゃんと食べないと、大きくなれないぞ。お父さん、お母さんにそう教わっただろ?」


揶揄うように言う総一郎。


「なに、それ。」


「さ、行こう。」


尚も不服そうな私に、総一郎は優しく笑いかけると、楽しそうに歩き出した。