「桜井くん、ちょっと。」
業務を始めて一時間半ほど経った頃、総務課長に呼ばれた。
「はい。」
課長の席へ向かうと、険しい表情のまま切り出した。
「今、大臣秘書官から連絡があった。明日には国会が動き出す見込みだそうだ。大臣レクを前倒しで頼みたいらしい。」
「承知しました。すぐに質問予定の議員事務所へ当たります。」
「頼む。」
デスクへ戻ると、私は部下たちと手分けして、各議員事務所へ連絡を入れた。
国会では、議員から事前に質問内容が通告される慣例になっている。
その内容をもとに各省庁が答弁を作り、大臣は事前に説明を受ける。だから質問が届かなければ、すべての準備が止まってしまう。
もっとも、この質問通告はあくまで慣例であって義務ではない。手の内を隠すため、ぎりぎりまで通告しない議員もいる。そうなれば若手官僚が事務所へ質問を受け取りに走り、答弁書が完成する頃には深夜三時、四時になることも珍しくない。
もう何度、そんな夜を過ごしただろう。
業務を始めて一時間半ほど経った頃、総務課長に呼ばれた。
「はい。」
課長の席へ向かうと、険しい表情のまま切り出した。
「今、大臣秘書官から連絡があった。明日には国会が動き出す見込みだそうだ。大臣レクを前倒しで頼みたいらしい。」
「承知しました。すぐに質問予定の議員事務所へ当たります。」
「頼む。」
デスクへ戻ると、私は部下たちと手分けして、各議員事務所へ連絡を入れた。
国会では、議員から事前に質問内容が通告される慣例になっている。
その内容をもとに各省庁が答弁を作り、大臣は事前に説明を受ける。だから質問が届かなければ、すべての準備が止まってしまう。
もっとも、この質問通告はあくまで慣例であって義務ではない。手の内を隠すため、ぎりぎりまで通告しない議員もいる。そうなれば若手官僚が事務所へ質問を受け取りに走り、答弁書が完成する頃には深夜三時、四時になることも珍しくない。
もう何度、そんな夜を過ごしただろう。


