Thirty’s

「そうなんだ・・・。」


「先輩はお父さんとは相変わらずなの?」


「というか、むしろ関係は悪化してるかもしれない。」


悠はため息をついた。


「これ、話してなかったけど、実は去年、ひと悶着あってね。」


「そうなの?」


「徹くんは私たちより一コ上だから、去年三十歳になったじゃん。」


「うん。」


「担当も変わるようだし、ちょうどいい区切りだから、いい加減ウチの会社に転職しろってお義父さんが、かなり厳しく徹くんに言ったんだよね。」


「えっ、先輩のお父さん、まだ諦めてなかったんだ?」


由夏が驚いたように言う。


「諦めるどころか、私にもなんとか徹を説得してくれって言って来るくらいで・・・。」


「そうなんだ・・・。」


私と由夏は思わず顔を見合わせる。


コンツェルンと呼ばれるほどの巨大企業グル-プを率いる父親から、長男として跡を継ぐことを求められながらも、頑としてそれを拒否し、高校生の頃から父親と不仲だった白鳥先輩。