Thirty’s

そんなこんながあった後の帰り道。珍しく座れた座席で、私は物思いに耽っていた。


(そっか、三十歳か・・・。)


改めて、自分の年齢に思いを馳せてしまう。


かつて、女性の曲がり角の年齢は二十二歳だったそうだ。それがやがて二十五歳になり、三十歳になり・・・今では特に都市部では三十オーバーの独身女性なんて、珍しくもなんともない。


それがいいとか悪いとかを論じることはナンセンスだろう。考え方は多様化し、結婚自体を時代遅れ、不要と考える人の割合は男女を問わず、確実に増えている。山本秘書官ではないけど、少子化対策の所管官庁の一員として、肌身に感じている。


だけど、その一方で、いずれはきっかけや良いパートナーに巡り会えれば結婚したい、子供を産みたいと思っている女性は決して少数派ではない。私自身の話をすれば、私も結婚はしたいと思っている。特に親友の悠が早々に結婚して、三人の子供にも恵まれ、幸せな家庭を築いている姿を見ているから、結婚願望、出産願望はかなり高い方だと自覚している。


でも世の中はままならない。いくら願望が大きくても、自慢じゃないけど、私は「彼氏いない歴イコール年齢」の時期が長かったし、ようやく総一郎というベストパートナー候補に巡り会っても、すれ違いが多く、二人で過ごす時間がなかなか取れない。


私は総一郎と同棲する為に実家を離れたけど、当時二十八歳だったから、そのままゴールインに向かって一直線と親や周囲に期待を抱かせたのは確かで、それだけに「何をぐずぐずしてるの?」とやきもきさせているのはわかっているんだけど・・・。