Thirty’s

「そうだろうな。どうだい?少子化対策の主管官庁の一員として、加奈ちゃんもそろそろ真剣に考えてみたらどうだい?」


「こればかりは、私の一存で決められることじゃないんで。」


「でも、同棲してるってことは、そういう対象だと相手のことを思ってるんだろ?」


「それはそうですけど・・・。」


「だったらグズグズしてない方がいいぜ。なんと言っても出産にはタイムリミットっていうものがあるんだから。」


「秘書官、それはセクハラ発言と理解しますが。」


さすがにたまりかねて、釘を刺してやると


「スマンスマン。まぁ実は俺も親父にやいやい言われてるんでさ、同病相憐れむじゃないけど、ついな。まぁ気を悪くしたなら謝るから、訴えるのは勘弁してくれ。」


そう言って、ニヤッと笑うと、山本さんは退散して行く。


「懲りてませんね、あの顔。」


茉莉の言葉に


「昔から、一言多いからね、あの人。あんなんで政治家なんか勤まるのかなって、ずっと思ってる。」


「手厳しいですね、係長。」


「だって本当のことだから。どっちにしても、私ももうすぐ大臣官房離れるし、あの人だって、下馬評通り七月に内閣改造があれば、お父さんと一緒に退任で、厚労省とは無縁の人になるんだから。今度こそ、私も縁が切れる。せいせいだよ。」


思わず言ってしまっていた。