(もしそんなことになったら、凄いことだよね・・・。)
私、白鳥悠は思ってしまう。子供たちが言う通り、私の夫でこの子たちの父親である白鳥徹はかつて、高校野球のヒーロー、チームのエースだった。でも最後の甲子園大会の決勝戦で、ピッチャーの命である右肩を痛め、選手生命を絶たれてしまった。その一部始終をスタンドから目撃した私は、一緒に観戦していた親友の塚原由夏の肩で号泣した。
それから十三年・・・当時は同じ高校の先輩後輩という関係に過ぎなかった私たちは恋人になり、そして夫婦になり、この子たちの親になって、今日を迎えている。
野球を諦めるしかなかった夫は、野球の素晴らしさを人々に伝えたいという思いから新聞記者になった。そして入社以来、プロ野球担当として、かつて自分が憧れた選手やしのぎを削ったライバル、共に夢を追った仲間たちのプレ-を見守り、伝えて来た。そんな夫が昨秋のプロ野球シーズン終了をもって、アマチュア野球担当へ異動になった。
「俺、今度高校野球を担当することになった。」
「そうなの?」
「かつての仲間やライバルたちの生きざま、戦いざまを追うのもやり甲斐はあったけど、もう一度、高校野球の世界に携わる機会を与えられるなんて、本当に嬉しいよ。」
辞令を受けて、帰宅して来た夜の夫は、そう言って、まるでかつての高校球児に戻ったかのように目を輝かせていた。
私、白鳥悠は思ってしまう。子供たちが言う通り、私の夫でこの子たちの父親である白鳥徹はかつて、高校野球のヒーロー、チームのエースだった。でも最後の甲子園大会の決勝戦で、ピッチャーの命である右肩を痛め、選手生命を絶たれてしまった。その一部始終をスタンドから目撃した私は、一緒に観戦していた親友の塚原由夏の肩で号泣した。
それから十三年・・・当時は同じ高校の先輩後輩という関係に過ぎなかった私たちは恋人になり、そして夫婦になり、この子たちの親になって、今日を迎えている。
野球を諦めるしかなかった夫は、野球の素晴らしさを人々に伝えたいという思いから新聞記者になった。そして入社以来、プロ野球担当として、かつて自分が憧れた選手やしのぎを削ったライバル、共に夢を追った仲間たちのプレ-を見守り、伝えて来た。そんな夫が昨秋のプロ野球シーズン終了をもって、アマチュア野球担当へ異動になった。
「俺、今度高校野球を担当することになった。」
「そうなの?」
「かつての仲間やライバルたちの生きざま、戦いざまを追うのもやり甲斐はあったけど、もう一度、高校野球の世界に携わる機会を与えられるなんて、本当に嬉しいよ。」
辞令を受けて、帰宅して来た夜の夫は、そう言って、まるでかつての高校球児に戻ったかのように目を輝かせていた。


