◇ ◇
「選手入場。」
場内アナウンスの声が、TVから流れて来る。
「始まるよ。」
「パパ、映るかなぁ?」
「パパは出るわけじゃないから、映るわけないじゃないの。」
四月を一週間後に控えた日曜日の朝。朝食を終えたばかりの食卓では、長男の翼の無邪気な言葉を、長女の舞がお姉さんぶって否定している。そのやり取りがおかしくて、私は思わず笑ってしまう。
「そんなのわかんないじゃん。だってパパは、甲子園に出たことがあるって、ママが言ってたもん。」
「バカねぇ、だからそれは昔の話でしょ?」
「ツバくん。お姉ちゃんの言う通り、パパは今は記者さんだから、もう出られないのよ。」
姉にいなされて、むくれている翼がさすがに可哀想になった私は、笑顔で彼に言い聞かせる。
「なんだぁ。」
ガッカリする長男に
「でも、あの時のパパは本当にカッコ良かったんだよ。」
私が続けると
「うん、ビデオで見たもん。僕も大きくなったら、絶対に甲子園に出て優勝するんだ。」
一転、翼は目を輝かせる。
「選手入場。」
場内アナウンスの声が、TVから流れて来る。
「始まるよ。」
「パパ、映るかなぁ?」
「パパは出るわけじゃないから、映るわけないじゃないの。」
四月を一週間後に控えた日曜日の朝。朝食を終えたばかりの食卓では、長男の翼の無邪気な言葉を、長女の舞がお姉さんぶって否定している。そのやり取りがおかしくて、私は思わず笑ってしまう。
「そんなのわかんないじゃん。だってパパは、甲子園に出たことがあるって、ママが言ってたもん。」
「バカねぇ、だからそれは昔の話でしょ?」
「ツバくん。お姉ちゃんの言う通り、パパは今は記者さんだから、もう出られないのよ。」
姉にいなされて、むくれている翼がさすがに可哀想になった私は、笑顔で彼に言い聞かせる。
「なんだぁ。」
ガッカリする長男に
「でも、あの時のパパは本当にカッコ良かったんだよ。」
私が続けると
「うん、ビデオで見たもん。僕も大きくなったら、絶対に甲子園に出て優勝するんだ。」
一転、翼は目を輝かせる。


