それから二年。春は、誰にでも平等に巡って来る。高校時代を共に過ごした私たちも、それぞれ違う人生を歩みながら、今年、三十歳になる・・・。
◇ ◇ ◇
「おはよう、加奈。」
「おはよう。」
私も総一郎も、慌ただしい日々を過ごしているうちに、三月も最終日曜を迎えていた。この日は休みの私に対し、総一郎は出勤。だから今日は私が彼を送り出す番だ。
「今日は何件くらい、見積もりに行くの?」
「さすがにピークは越えたからね、五件かな。」
大したことある気がするけど・・・。
「もうすぐ四月なのに、まだそんなに行くんだ?」
「年度内の移動を諦めて、GWに動こうっていうニーズがまだあるからね。でも四月に入れば、かなり落ち着くから。」
「私も予算が無事年度内に成立して、法案審議も順調に動き出したから。」
「そっか、じゃ四月に入ったら、一回ゆっくり食事に行こうよ。」
「うん、そうしよう。」
そんな会話を交わしたあと、私は笑顔で彼を送り出す。
確かに一緒に暮らし始めたことで、こうして一緒に過ごす時間が生まれたことは確かだった。だけど、生活サイクルが違うという根本的な問題を解決してくれるほどではなかった。
私は係長級へ昇進し、総一郎も本格的に営業として動き始め、めきめきと頭角を現して行った。お互い責任ある立場になったことで残業は増え、有休も思うようには取れない。
結局私たちの時間は思ったほど増えることがないまま、時は流れて行った。
◇ ◇ ◇
「おはよう、加奈。」
「おはよう。」
私も総一郎も、慌ただしい日々を過ごしているうちに、三月も最終日曜を迎えていた。この日は休みの私に対し、総一郎は出勤。だから今日は私が彼を送り出す番だ。
「今日は何件くらい、見積もりに行くの?」
「さすがにピークは越えたからね、五件かな。」
大したことある気がするけど・・・。
「もうすぐ四月なのに、まだそんなに行くんだ?」
「年度内の移動を諦めて、GWに動こうっていうニーズがまだあるからね。でも四月に入れば、かなり落ち着くから。」
「私も予算が無事年度内に成立して、法案審議も順調に動き出したから。」
「そっか、じゃ四月に入ったら、一回ゆっくり食事に行こうよ。」
「うん、そうしよう。」
そんな会話を交わしたあと、私は笑顔で彼を送り出す。
確かに一緒に暮らし始めたことで、こうして一緒に過ごす時間が生まれたことは確かだった。だけど、生活サイクルが違うという根本的な問題を解決してくれるほどではなかった。
私は係長級へ昇進し、総一郎も本格的に営業として動き始め、めきめきと頭角を現して行った。お互い責任ある立場になったことで残業は増え、有休も思うようには取れない。
結局私たちの時間は思ったほど増えることがないまま、時は流れて行った。


