Thirty’s

生活費も家事分担も全て折半、同棲生活がそんな約束で始まってからまもなくの週末。この日、私はもうひとりの親友である白鳥悠(しらとりゆう)が家族と暮らすスイ-トホームを訪れていた。


玄関に入った私を、大歓迎してくれた五歳になる悠の長女の舞(まい)ちゃんと三歳の長男翼(つばさ)くんが、元気よく周りを走り回っている中、私たちはリビングで向かい合った。


「ごめんね、相変わらず賑やかで。」


「ううん。赤ちゃんの時から知ってる二人が、会うたびに大きくなってるからびっくりするよ。」


「舞は幼稚園に彼氏がいるらしいよ。」


「えっ、もう?」


「うん。だから『大きくなったらパパと結婚する』を舞がすっかり言わなくなって、徹(とおる)くんが落ち込んでる。」


「それは先輩、ショックだね。」


笑い合いながら、ふと高校時代の思い出がよぎる。


もともと大の仲良しコンビだった悠と由夏の仲に、私が割り込むように飛び込んだのは、もう高校生活も終盤の三年生の秋。そこから、大学時代は別々の学校に入ったとは思えないくらい、よく会っていた私たちだったけど、悠が大学卒業直後に授かり婚。更に由夏も今や遠く仙台にいる。


だから、三人で会う機会はほとんどなくなってしまった私たちだけど、それでもこうして折に触れ、交流は絶えることなく続いている。


「デートもなかなかままならない状況で、どうするんだろうって心配してたんだけど、思い切って決断してよかったと思うよ。」


「うん。一つ屋根の下で暮らすことの緊張感、照れ臭さは正直あるけど、でも同じ空間に居られる安心感、幸福感は思ってた以上に大きかったよ。」


私は笑顔で頷いた。