「着いてきて下さい。」



カウンターの奥にあるドアへ入って行く。
ドアを開くと廊下を挟んで更に正面にドアがある。




「ここがロッカールームです。好きに使って下さい。私は外へ出てますので用意出来たら言ってください。」



「あの、私今男だし一緒でも大丈夫なんじゃ?」



「ですが、いくら外見が男性と言っても中は女性ですし、、」



「あ、すみません!八さん恥ずかしいですよね、、!私が平気でも見られたくないですよねすみません!」



「い、いえ、、私は女性に変装するので、、ジャケット着るだけですし、気にしないのであれば助かります。」



「そうなんですか!」



じゃあ私に気を使ってくれたんだ、、!



「はい。あ、これ服です。今気付きましたけど大の男の姿でセーラー服は酷でしたね、、」




「あ、、!確かに、、笑私ずっとこのままで、、笑」




「フフッ」



あっ、初めて笑った、、!




「すみません。とにかく急いで着替えましょう。私も変装します。」



ガチャ



スーツ着るのか、、!
きっと会社に潜入だもんね!そうだよね!




あ、ネクタイ結べない、、
なんだっけ、輪っかを作ってとおす、、?




「あの、ネクタイ結びましょうか?」



「あっ!良いですか?助かります、、」





いつの間にか女性になった八さんにネクタイを結んでもらう。



今は私の方が身長高いからしゃがんだ方がいいかな。
気持ちしゃがみ、ふと結んでいる八さんの顔を見る。



綺麗、、なんか照れちゃうな



「ほんとに綺麗ですね、、!」



「は、はい?私ですか?、、ありがとうございます。まぁただの薬の効果なんで誰でもこの姿になれますけどね。」



「はい。結べましたよ」



「ありがとうございます!でも、八さんの元の気品?所作とか凄い綺麗で、、とにかく凄いです!」



「気品、、ですか。まぁ、悪い気持ちにはならないですね。」



「すみません無駄話を、、」



「いいえ。行く途中に設定や指示など伝えます。」



「はい!」



カランカラン



事務所を出る。



「あの、移動って何でするんですか?」



「貴方が乗ってきた電車ですよ。」



「あー!なるほど。」



歩いて駅に行き、切符を買う際に駅員さんに話しかけられた。



「おー!八じゃねぇか!なに!これから仕事?」



「ええ、いつもお疲れ様です。」



「がははっ!相変わらずすました顔だねぇ!!」



「あれ!その子なに?!もしかして彼女〜??」



「いえ、今日から入った助手です。」



「あっ!こんにちは!」



「なぁにー!つれないねぇ!」



「まぁ嬢ちゃんも頑張ってね!」



「ありがとうごさいます!」



元気な人だったなぁ
なんだかこっちまで元気になるような、、


ん?そういえばなんで私が女って分かったんだろう?それに八さんも女性の姿なのに、、


そんな事を考えながら電車に乗った。