その男性がそう言うと、私をトカゲの男性から引き剥がした。



「チッ、何をする!!」



「何をするじゃない。人間を人身売買とはアホらしい!」



「なっ!お前!元か!なんでそんな人間を庇う!」



「はぁ、妖の世とはいえ人身売買は犯罪だろう。お前はそこまで落ちぶれたのか?」



「はぁ、しょうがねぇだろがよぉ!金がねえんだよ。」



「惨めなこった。金がなくとも犯罪に手染めんじゃねぇよ。」



「あーはいはい。うるさいうるさいわかったよ。」



「もう二度とやるなよ。じゃあな。」




「はいはい。」




彼らが話終えると猫のような男性が話しかけてきた。




「おい、お前どこから来た?なんで来ちまったんだ?」






「あ、えっと、私の家に居たら電車乗っちゃって、それでここに、、」




「あぁまたそれか。最近多いんだよなぁ。お前、家はどこだ。」



家、、教えても大丈夫かな、、?
県だけなら平気かな
髭生えてるし、、て言うかおじいさん、、?
おじさん?若者?全然わかんない、、



「えぇ?えっと、、佐山県です。」




「ん?佐山?お前もしかして桜町かなんかに住んでるか?」




「え?、、そうですけど、すみませんどこかで会いましたか?」




「あぁやっぱりな。お前の両親の名前は宗一と茜だろ?あいつらは俺の事務所で一時期働いてたんだよ。」




「えっ!そうです、、!働いてた?お父さんもお母さんもここに来た事があるんですか?」




「おうそうだ。俺は探偵事務所をやっててな。まぁ推理とかはしないが。悪いやつを払ったりする時、あいつらは強かったんだよ」




「払う?」




「あ〜まぁ、とにかく事務所に来な。そこで説明するよ。」




「はっはい!あの、でも、さっき車掌さんに交番へ行けって、、、」




「あ〜そうか。そうだな、警戒心が強いのはいい事だが事務所に来た方が都合がいいんだ。」




「じゃあなにか質問をくれ。そしたら少しは信用出来るんじゃないか?」




「えっと、、じゃあ、お母さんの好きな食べ物は?」




「かぼちゃ」



「えっ!」



当たってる、、!



「じゃあ次は、お父さんの趣味は?」




「本を読むこと、料理をする事。」




本当に知ってるんだ、、!




「じゃ、じゃあ!お父さんがしたプロポーズの言葉は?」




これ知ってたら信用せざるを得ないよね、、!




「一生大切にします、愛してます絶対毎日お味噌汁作ります茜さん。」




「え!?凄いですね、、!」




「当たり前だ、茜に散々聞かされたからな。」




「そうなんですか、、!わかりました!事務所、お邪魔します!」




「あぁ。」




羊の男性に連れられ、私の両親が働いていたらしい
探偵事務所に向かった。