間もなく〜
乙女坂駅〜
乙女坂駅〜
お出口は右側です。
プシュー
あ!やっと着いた!!
おとめざか駅?どこだ?
とっとにかく車掌さん!!
無我夢中で車掌室へ向かう。
コンコンコン
「あの!すみません!車掌さん!」
「はい?」
ガラッ
「ひっ!」
頼みの綱だと思っていた車掌さんは、蛇だった。
「えっ!あっ!あの!」
糸のように細くて吊っている目、口も横に長く裂けているようで、下半身は蛇のままで足が生えていない
しかもかなり身長が大きい。
ずっと目を合わせていたら首が痛くなりそうだ。
「はい?どうかしましたか?」
「あの、私、あの間違えて?乗ってしまったみたいで、帰りたいんですけど、、」
「ん〜〜?」
車掌さんに鋭い眼でジロジロ見られたあと、驚いた顔をされた。
「君、人間だね?」
「へっ?あ、はい!そうです!」
「またか〜、それにこんな可愛らしい子供が、、」
「もうすぐ出発しないといけない。時間がないからよく聞いて。」
「はい?わかりました!」
「君が今乗っているのは君の世界の電車では無い、そしてこの世界は危険、戻る方法は特殊な所へ行かないと無い、僕は仕事があるから連れて行けない。」
「は、、い、、?」
「いきなり言われても分からないだろうね。とにかくこの世界は危険な人が沢山いる、簡単に自分が人間だと名乗らないで。そして一般人に話しかけず交番に行きなさい。とにかく交番を目指して。」
「は、はい!交番ですね!わかりました!お仕事中にすみませんでした!!ありがとうございます!」
「いいえ。くれぐれも気をつけて。」
「大変お待たせ致しました。少々遅れましたが発車いたしまーす。」
プシュー
え、えっと、、やっぱり異世界で、、危ないから交番ね交番交番。
「さっきの車掌さん、少し怖かったけどいい人だったな。電車遅らせちゃって申し訳ないなぁ」
駅に目を向けると、人でごった返している。
いや、化け物でごった返している駅。
交番をめざし駅の出口を探していると、トカゲのような男性に話しかけられた。
「おぉ嬢ちゃん。あんた人かい?めずらしいねぇ」
「え?、あ、ちっ、違います!あ、あとあの、この駅の出口ってどの方面ですかね?分からなくて、、、」
「違うのかいそうかいそうかい。迷っているんだね?それは可哀想だ。ワシが連れてってやろうねぇ。」
「あっはい!ありがとうございます!」
そう言ってトカゲの男性について行こうとしたら、猫の耳が生えた男性が近づいてきた。
「おい小娘。そいつについて行くと死ぬぞ。」
「え?」


