貴方は私を正しく剪定して行くように丁寧に気持ちを重ねるけれど、鋭いその言葉を使ってへし折ってくれて構わないのに、といつも思っているのよ。

 選ばれたような顔をして、望まれた笑顔を作って、薄っぺらな皮膚一枚に隠している筋肉は、全く違った形でぎこちなく震えています。

 始終錯乱し続けている脳に明かりを灯す発明を、どうか貴方に託します。

 愛していると言う声には、生まれてはじめて発するのであろうと思えるような、慣れない響きを含んでいてとても愛らしいと思いませんか。

 落ちて行く赤い花を搔き集めるその指は、土で汚すのではなくて文字を残す為にあって欲しいと願います。

「それでも、嬉しいです」

 不器用な、貴方に。
 何度でも薬を塗り、包帯を巻いて、優しい心で、月に祈って。
 届け続けたいのです。

 私が枯れてしまう日がやって来たとして、その時のことを想い一つきり願いを神に告げました。
 きっと、いくつかの大粒の蕾が地面に転がることでしょう。
 手にした500を記す力で、貴方にやっと返事をすることが叶いました。

 遠くの庭で私は咲いています。
 手入れをするのは苦ではありませんか?
 執筆の邪魔にはなっていませんか?

「私は、信じています」

 貴方の夢を。