花系男子はアナタっ子


──夢莉くんをつれて中に戻れば、千莉くんもリビングにおりてきていた。

「夢莉、どこ行ってたの?」

「お庭」

「庭?何しに……なるほどな」

聞かずとも蒼葉くんは、なんとなく察したのか、一人頷く。
そんな蒼葉くんを見て、千莉くんも少し遅れて察した様子。
だから私の口からは何も言わないことにする。

「すみれから、めっ……ってされたもん。ごめんなさいしたし」

「そうだね」

反省中の夢莉くんの背中を擦ってあげれば、静かに抱きついてきた。
……こういう姿は可愛いんだよね。