花系男子はアナタっ子


ひとりでに出るはずないだろう、とは思うものの、一応と外に出てみた。

ついでだから、ハナカイドウの様子でも見ていこうと裏に回る。


『君のこと、へし折っていい?いいよね?やっちゃうよ……』

途中、聞こえた声に確信して裏庭に行けば、

「夢莉くん?何して……え、何?こわい顔して……」

「っ!……これ、折ろうかと」

夢莉くんはハナカイドウの挿し木の前に居て、枝に手を伸ばしていた。

「え!?ちょっ……!!だめだめ!」

急いで、その手から枝を離して貰う。

「……ちぇ」

拗ねたように、目をそらす夢莉くん。
その頬を軽くつまんだ。

「むぅ……ごめんなさい」