花系男子はアナタっ子



──ぱたん、と宿題の冊子を閉じる。


「……終わったぁ」

とびきりの解放感にペンを放り、伸びをしながらそのまま寝転がった。

「お疲れ」

「ありがとー……」

珍しく蒼葉くんが微笑んだ……と思ったら私の横に寝転ぶ。
そしてまたも珍しく、私の頭を撫でてきた。

「あ……蒼葉くん?」

「なんだ?」

「いや、なんというか……珍しいな、と」

「何カタコトになってんだよ。……言っておくけど、俺が自分から触れるのはお前だけだ」


覚えとけ──

表情はいつもと変わらないのに、そんなこと言うから、心臓ッうるさくなってきた……