花系男子はアナタっ子





放課後、私は一番のりに校長室に着き、約束の切り花を受け取った。

帰りに自分が担当する花を確認したら、とても綺麗になっていて……しかも丁寧なラッピングをして先生は切り花をくれた。

小さなメモを添えて。
メモには──

【サルビアは一輪。アルストロメリアは並んで倒れかけていた二輪。大事にしてね】

と書かれていた。

私と同じように気落ちした子も中にはいると思うけど、校長先生のおかげで元気出るんじゃないかな。




──帰り道、ずっと両手に抱え持ち帰ってきた花を花瓶に生けた。勿論、自室に。


「……少し小さかったかな」


顎に手を当てて、色んな角度から見てみるけど……

「ちょっと窮屈(きゅうくつ)そうかも……だけど花瓶それしか探せなかったから、今だけごめんね?」

ぺこっと花に謝って、顔を上げる。


「……綺麗」