──水やりが終わり、帰ろうと鞄を肩にかけると、ホースを片付けてきた校長先生が慌てたように走ってきた。
「良かったわ、まだ居てくれて。……少し遅くなったのだけど、剪定が終わった花があるから、良かったら挿し木持っていかない?」
「……いいんですか?」
「皆に配れる量ではないから、秘密よ?」
人差し指を口の前にたてる先生に、私は是非、と答えた。
その後──一度剪定した花のもとへ行き、その場にあった新聞紙に包んでもらった挿し木を持ち帰ることに。
「……しかも、ひまわりまでもらっちゃった」
ひまわりはいいけど、挿し木の方……鉢あったかな。



