何度かあいこを繰り返したのち……
「ふふっ」
千莉くんが見事勝利。笑顔で席につくと、向かい側に落胆した二人が座る。
「……もうぼく一生、グー出さない」
「んなの、たまたまだろうが」
やっと三人が座ってくれたのを見て、店員さんが水を持ってきてくれた。
礼儀正しく頭を下げたのは私と千莉くんだけ。
夢莉くんはいじけモードだし、
蒼葉くんはもともとドライだから……
千莉くんの性格の良さが分かる。
水を飲みながらそんなことを考えてると、千莉くんがメニュー表を手にした。
「これ何?見ていいの?」
「勿論」
「なーにそれ」
「食べもんだろ。周りが食べてる見れば分かる」
真ん中に広げたメニュー表を、四人で覗き込んだ。



