花系男子はアナタっ子


自分の服を探しつつ……またお着替えタイムを楽しむ双子の声を聞きながら、待つこと一時間──


「これと、これとこれ……どれがいいかな?」

「僕も迷ってるんだけど……」


かごいっぱいに服を詰め込んできた双子は、私を見つけ、その中で服をしぼろうとする。

「値段だけ見るね」

かごの中をチェックすれば、問題ないことが分かり、全部でいいと言えば、熱烈なハグをされた。

「ぐるじい……あ……蒼葉くん、ぎまった?」

ぎゅうぎゅうにくっついている双子を蒼葉くんは強引に剥がし、文句を言われながら私に服を差し出す。

この前よりはお好みの服を見つけたみたい。

「うん、じゃあ買っちゃうよ?」

「うん」

「はーい」

「おお」


私の服をいれても、合計は本当中学生に優しかった。

だって──ほぼ半額だもの。