花系男子はアナタっ子



「風のせいでグラウンドの方に花びらが散らばっていたし、所々……花の茎が折れているのもあったわ」


校長先生の言葉に私の顔は(くも)ってしまった。
だけど落ち込んでる場合じゃない。


「すいません先生、私も自分の花が気になるので見に──」


見に行ってきます、頭を下げてそう告げようとしたけれど、その前に校長先生が悲しそうにするものだから、なんとなく察するものがあった。
駆け出したい気持ちをおさえて、私は先生に尋ねる。


「……私の花も、折れてたんでしょうか?」

「サルビアとアルストロメリアがね。でも心配しないで?どちらも一輪程よ」

「そ、うですか……」