いや、仕方ないんですけどね。
女の子に騒がれるのが美形の使命とか前に思ったのと同じ。
美形といる平凡な女子の使命もまた存在するわけで……それが何かしら陰で言われること。
これで美人または可愛い女の子が三人といれば、"わぁ!"だけで終わるのかもしれないけどね……
特にどちらにも属さない私は、何を言われても三人のスキルを真似て、スルーするしかない。
聞き流せ、私。
「──れ、すみれってば!」
「ん?っあ、ごめん」
危うく足を止めていた双子にぶつかるところだった。
膨れる夢莉くんに、心配そうに私を見つめる千莉くん。
「何?一人で頷いたり変な顔して」
「大丈夫?」
「うん、ごめんありがと」
変な顔って言われたのはこの際気にしない。



