『どこに?』
双子は小銭をいじりながら尋ね、私は手にあるお札を握りしめた。
「買い物します。お出かけしようね……あれ?聞いてる?」
返事がない、と思えばいつの間にか双子はベッドへ。
なんてすばしっこさ。
「暑いのやだー」
「外に出るのは億劫だね」
あちゃー、外の暑さを嫌って完全にインドア派になった。
でも私だけでは意味ないし……どうやって行く気を起こさせよう──
「……じゃ、俺こいつと二人で出かけるわ」
ぴくり。
蒼葉くんの言葉に双子が反応し、起き上がった。
お?
「二人になんてさせるわけないでしょ。それ、でーとになっちゃうじゃん」
「僕も行く。ずっと暑いわけじゃないだろうし」
ああ、"二人で"に過剰な反応したのね。
でもこれで出かけられる!



