花系男子はアナタっ子


夢莉くんと千莉くんの、にこっと笑いあう姿に少し胸を撫でる。


……それもそのはず。

朝に起きた、私が女子に囲まれていたことを気にしてか、一人ひとりが纏うオーラがいつもと全く別物だった。

だから、毎日のように近寄る女子が一歩引いた感じで。


「……可愛い可愛いってぼくらのご機嫌をとる女の子たちの相手をしてると、すみれと全然話せないし、全然一緒にいれないもん!だからもうやめる!はいやめたー!」

「それには賛成だな」

「僕たちと居ると噂が立つっていう、すみれの心配は分かるけど、今朝みたいなのは許せないからね」


と、三人が意気投合してる。


……それにしても一つ気になることがあった。


「……どうして私があそこに居たの分かったの?」

確か教室に入った時点で、すでに個々の姿が見えないくらいの囲まれようだったと思うんだけど。

柵に寄りかかる三人の前で止まり尋ねれば、蒼葉くんがそっぽを向きながら答えた。