このまま黙りを決め込むと、授業に間に合わなくなるのもまた事実。
もう今はそうだよって言ってしまおう。
もうどうにでもなれ、と思い私は口を開きかけた。
「──だったら、早く戻れよ」
しかし、下からの声に言葉を飲み込む。
驚く女子たちの視線の先には居たのは、
「っ……蒼葉くん!?それにっ──」
「ねぇ、すみれを囲って何してるの?」
「ハシッコに追い詰めて……どんなお話か、ぼくらに教えてくれる?」
噂の三人だった。
蒼葉くんの声とほぼ同時に、双子は女子グループと私の間に立つ。
千莉くんはあまり変わった感じはしないけど、夢莉くんは私を押した女子に顔を近付けた。



