「ずいぶんと早い登校ね」 「あはは……私、美化委員なんですけど、台風があったので花が心配になったというか……」 ってつい口走ったけど花の心配、って変だったかな。 ちらりと校長先生を見上げれば、嬉しそうに笑みを見せてくれて、私は胸を撫でた。 「ええ、知ってるわ。貴女がここに足を運んでいるのを校長室から何度も見たことがあるからね」 「お、お恥ずかしい……」 そうだ。 校長室は、この学園で一番見晴らしの良い場所にあるんだった。