私の手のひらには、白いアルストロメリアが二輪。 戸惑って緋衣くんを見れば、くいっと顎で前を指された。 『見ろ。双子が居ないだろ』 フラッシュから現れた花に気を取られた私は、千莉くんと夢莉くんが居ないことにやっと気付く。 『……じゃあこれって』 再び花を見つめれば、手のひらの上でゆらゆらひとりでに動く二輪の花。 『千莉くんと夢莉くんなんだ……』 『要するに、俺たちは必要に応じて花に戻ることが出来るってわけ。それともまた信じられない状況に、動揺中か?』 緋衣くんは私の机の椅子に腰かける。