「……どうしたの?」
聞けば、笑ったまま自身を指差す双子。
意味が分からなく首を傾げると、千莉くんがヒントをくれる。
「君のもらった花を思い出して見て」
「花を?……青のサルビアと」
「と?」
夢莉くんが前のめりに私に顔を寄せる。
「白い、アルストロメリアの花……だけど」
花の名前を答えれば、双子は深々と頷いた。
そしてまた、千莉くんは不思議なことを口にする。
「そうそう、君のもらった花はここにあるよ。……居るよ、の方が正しいのかな?」
「え?」
居るって──
「もうっ鈍感!ぼくたちが二輪のアルストロメリア!それでこの男がサルビアだってば!」
千莉くんと肩を組み、びしっ!と緋衣くんを指差して夢莉くんは言った。
「……はい?」



