花系男子はアナタっ子


私と緋衣くんが二階に上がり部屋に入れば、双子は私のベッドで寛いでいた。


「お前ら、座る場所くらい考えろよ」

「いいじゃん。ぼくここ気に入っちゃった。ふかふかだし」


軽く注意してくれる緋衣くんだけど、夢莉くんは全く気にしてない様子。
千莉くんはなぜか枕を触っている。


「あーまぁ……飲み物でも用意してくるね?」


鞄を机に置いて、私は部屋を出ようとしたのだけど、そこであることに気付いた。


それは、机の上に置いた花瓶の花がなくなっていること。


「あれ?」


落ちた感じはない。濡れてないし、そもそも花がなく、花瓶の水だけが残っていた。

花瓶を覗いている私の肩がちょんとつつかれ、振り向くと双子が笑っていた。