花系男子はアナタっ子



「とりあえずリビング……に、ちょっと?」


三人とも上がってすぐ階段の方へ向かうから、その背に声をかける。


「リビング、こっちだよ」


「君の部屋に行こうよ」

「えーと……りびんぐ?は後でいいからさ」


千莉くんと夢莉くんは、足早に階段を上っていってしまい、残った緋衣くんに目を向ける。


「はぁ……お前がいいなら俺も上、行くけど」


双子の上っていく姿にため息をつき、階段の前でピタリと止まっている緋衣くん。
一応私の気持ちを尊重してくれるみたい。

でも……


「はやくーぼくら待ってるんだけどー?」


夢莉くんの言葉的に、私はちらりと緋衣くんを見た。

一人だけ待たせるのは良くないよね……


「大丈夫。そんな綺麗なわけじゃないけどね」