「あ、あと昨日は花瓶の話もしてたね」
驚きがとまらない私の顔を覗くように、千莉くんが言うと、反対側から夢莉くんも覗いてきた。
「寝坊したことも知ってるよ?」
「寝坊……って、あれ?」
テストとかの話は置いとくにしても、今日寝坊したことは、誰にも話してない。
最大の謎が生まれたと同時に、前を歩いていた緋衣くんが足を止めた。
「着いたぞ」
「着いたって、ここ……」
私の家だけど。
──あぁっ!なんなんだ、このわけ分からない状況。何で寝坊話も私のことも家も知ってるの?
「ほら、行こ!」
夢莉くんが悩む私の背を押して、三人を家にあげることになってしまった──



