はっきりと伝えられない申し訳なさに、うつむいていれば、蒼葉くんは立ち上がり数歩歩いて立ち止まった。
「……合宿の時も言ったが、俺は自分の気持ちをすぐ言葉にできる性格じゃない。だけど、自分からお前の愛情をもらいにいくとも言った。覚えてるか?」
「う……うん」
顔を上げて、見える背に頷けば、蒼葉くんは『そうか』と肩越しに小さく返事をする。
そしてわずかな沈黙の後、ゆっくりと私の前に蒼葉くんは歩いて来て……
「お前が俺らのことを平等に思ってるって言えない理由は、なんとなく分かってる。……こんだけ毎日一緒にいれば」
察しているのに、おもむろに言葉にしないのは、蒼葉くんの優しいところ。
「でも……橙果はともかく、あの双子と太陽たちは分かってないかもしれねぇけど」
「……ごめん」
なんて言葉を返したらいいのか、私の頭にはこれしか浮かばなかった。
そんな私の手を、蒼葉くんは握り、私を見下ろす。
「謝んな。……だけど、その上で俺も言いたいことがある」
言いたいこと?



