花系男子はアナタっ子


──手の話から、どこから回ろうという話になったんだけど……双子と太陽くんが『あっちに大きな雪だるまある!』と大きく照らされた雪だるまの方へ行ってしまった。

止める間もなく離れ、残った私たち。

「追うか?」

「いや、大丈夫だと思うよ。僕らは順に見ながら、三人が合流するのを待とう。離れても、すみれちゃんのことはわかるだろうからね」

「……なら、そうしよっか」


そして、明るいうちに歩いたコースをたどるように歩き、時折足を止めてイルミネーションを見たり、写真を撮ったりしていた。

「……お、ここで撮りたいな。僕。蒼葉くん撮ってもらえるかな」

私の携帯を蒼葉くんに渡した橙果くんは、私を連れて大きく光るハートの前へ。
蒼葉くんは自身の写真を撮られることがあまり好きじゃないようで、主に撮る係りに。

「撮るぞー」

はい笑って、と橙果くん言われ笑えば、手がすくわれ、シャッター音とともに甲にキスをおとされた。

「っ……!?」

「……橙果、お前はまた」

「すみれちゃんがあまりにも可愛くて、人前だからここにしないだけでも褒めて欲しいくらいだよ?」

橙果くんは、ここ……と私の唇に手を当てた。

「はいはい、これ以上やめろ。お前ばっかこいつに触りすぎだ」

「仕方ないものさ、こんな綺麗な場所にいたら、好きな子にはアピールしたくなるのは」

──好きな子……

「まあ蒼葉くんはもう少しスキンシップを増やし……っと」

「すいませんっ」

「いえ」

すれ違いざまに橙果くんが人にぶつかってしまったよう。

「……あれ?今の人かな。ちょっと行ってくるから先に見ていていいよ」

落とし物を渡してくる、と言って走っていった橙果くん。

「人増えたな……」

「イルミネーションを見る人が増えたからだね」

点灯時よりも沢山の人とすれ違うようになってきたし、季節的にも混むのは仕方ない。

「でもここに突っ立てるだけじゃ、邪魔になる。ちょっと移動するぞ」

「え、でも橙果くんが」

「あいつだって、見えなくてもお前の居場所は分かるだろ」

あ……そうだった。

「……手、離すなよ」