花系男子はアナタっ子


──それから、私たちはパンフレットを頼りに五人の花の場所をめぐることに。


「……あ!ぼくらのはっけーん!すみれ、みてみて!」

夢莉くんに手を引かれながら、アルストロメリアのそばへ。

「本当だっ。白以外も咲いててきれ……い……」

ピンクやオレンジ、紫とカラフルなアルストロメリアを褒めれば、夢莉くんと千莉くんの顔がふくれていて……
その意味を察した私。

「ふふっ、それでも双子くんたちが一番綺麗だよ?」

他のアルストロメリアを褒めたからふくれたのがちょっと可愛くて、微笑ましいけど。フォローすれば、二人とも嬉しそうに笑ってくれた。

「えへへっ、そーでしょ、そーでしょ。同じ花でも負けないもんねっ」

「僕たちはすみれの花だからね。花探しに行こうって言ったけど、他の僕たちを褒められて少しヤキモチやいちゃった」

夢莉くんは誇らしげに、千莉くんは照れまじりに、それぞれの表情が双子でも違うから本当に可愛いな。