花系男子はアナタっ子




──雪、ふぶいてる……

山の天気は変わりやすいっていうけど、本当なんだ。
皆と楽しく話していたから、外のことを気にしていなく、昼間の天気はうそのように感じられる。

──……大丈夫かな。皆。

窓の外を見ていると、つい林間学校の時のことが頭をよぎる。
私と離れたことで、双子の具合が悪くなったって言っていたから……

前もって橙果くんから、
『何かすみれちゃんの物を貸してみてくれないかな。少しは寂しさが和らぐかもしれないからね』

って言われて、ハンカチやら髪ゴムやらを五人に預けた。
だけど、いくら私の私物を渡したからって、気休めにしかならないかもしれない。

どんな様子か見に行きたいけど……東館に行くには、受付の前を通らないと行けないし……先生に見つかる可能性もある。

それに、うろうろしてたら怒られるに決まってる。

「すみれ、早く早くっトークタイムしよ」

「あ、うん」


ずっと気になりつつも、私は眠くなるまで部屋の皆と夜更かしをして過ごした。