花系男子はアナタっ子


──散々橙果くんにからかわれながら、あまり滑らず話していれば、上の方から先に行った夢莉くんと千莉くんが滑ってる姿が見えてきた。

その後ろから、蒼葉くんと差をつけられた太陽くんも見える。

「ありゃりゃ……太陽くんだけコースどりがデタラメになってるね。あれで転ばないのが逆にすごいと思うよ」

「そ、そうだね」

双子や蒼葉くんは綺麗に滑りおりているけど、太陽くんはあっちこっちにクネクネとしながら滑っていて、少しハラハラする。

徐々に四人の姿が大きくなってきて、双子が先にまた私たちの前で止まった。

「……はぁー天気いいし、動いてるから雪山でも寒くないね」

「じゃーん、どう?すみれ、みてくれた?」

「うん。見てたよ。二人とも本当上手」

「ほめられたっ」

「やったね、夢莉」

嬉そうにハイタッチをする双子の前に、蒼葉くんが到着。すぐに後ろを見る蒼葉くんは、想像以上に太陽くんが離れていたからか、少し驚いていた。

「……アイツ、おっせ」

なにか文句を言いながら滑りおりてくる太陽くんも、ようやく合流する。

「あーもう!これじゃ全然かっこいいどころかマイナスじゃないですか!手加減を知らないんです!?もう一回!」

不満げな太陽くんのリベンジはこの後何回も続いた──