花系男子はアナタっ子






席は三人とも一番後ろにもうけられ、休み時間には他のクラスからの女子が見に来て、道をふさぐ……というのが一日続いた。

帰りは校舎から出るまでもみくちゃにされ、家につくまでの体力がそこそこ削られた……


「はぁ……」

ほとんどの生徒は三人を見るために残っているから、校舎外に出れた時の空気は新鮮に感じた。



──いつになく重く感じる鞄を左右の肩で交代しながら歩いていれば、


「待って!」

「おいていかないでよっ」


「ん?」


声と一緒に複数人の走る音がして、振り向いた。

──え?


私と目が合うなり、嬉しそうな顔をして走ってくる編入生の双子。その後ろから、歩いてくるのは、緋衣くんだった。

置いていったつもりは……と言うより、私は他の子と違い、三人に話しかけてないのに何故?

そう思いながらもとりあえず足を止めて待ってみることに。