「そう?なら甘えちゃおっかな……これチョコ?コーヒー?」
「んー……コーヒーの香りするよ。夢莉はこれにする?」
「うん、あ……でも千莉は?」
「僕はこの抹茶にしようかなって。三人は?」
「僕も最後の方でいいよ。蒼葉くんたち、お先に」
橙果くんは、まわってきたケーキボックスをくるりと回す。
「オレ、この黄色いの!」
落ち込み気味の太陽くん、チーズケーキをキープすると、
「……橙果、お前も選べよ。俺はどれでもいいから」
「そうかい?なら僕は、チョコケーキにしよう。構わないかな?」
「ああ。なら俺はこっちにする」
もう甘いものしか残っていない中、蒼葉くんは苺たっぷりのタルトを選んだ。
そして、最後に──ピンクのウサギのケーキが私のもとへまわってくる。
「あはっ、やっぱりすみれにそれいった!」
「僕も最初からなんとなく、すみれにいけばいいな、って思ってたんだ」
夢莉くんも千莉くんも、ケーキを食べながら笑顔を浮かべた。



