「行事ってまだ何かあるんです?オレ、聞いてないような……」
話をあまり聞かないのは太陽くんらしいけど。
「文化祭がないぶん、私たちはスキー合宿があるんだよ。でも──」
「マジ!?これは林間学校を挽回するチャーンス!すみれに良いところを見せ──」
『二年生だけだよ』
「へ……」
千莉くんと夢莉くんの言葉に、テンションが上がった太陽くんだけど、目を丸くして固まってしまった。
「き、今日エイプリルフールでした?」
「なわけないでしょ?今、ちゃんとすみれは、"私たち"って言ってたじゃん」
そう。一年生と三年生は違うけどってことも伝えようとしたんだけど。
「でも、僕は三年生で、林間学校と同じくついていける許可もらってるけどね」
涼しい顔で橙果くんは髪をなびかせた。
「そ、そんなぁ……え、てことはオレだけお留守番!?」
太陽くんの驚きの声が辺りに響くと、スキーに行ける面々は、思い切り肩を落とす太陽くんの横を過ぎていく。
「そうなるな。変なことやらかすなよ」
「おるすばん、よろしくー」
「またすみれと行事、楽しみだな」
「僕も最初は落ち込んだけど……ごめんね、太陽くん」
「い……いやーだー──!!」



