花系男子はアナタっ子






帰り道──女子の影響か、太陽くんが私に尋ねてきた。


「大丈夫です?今日も誰かに告られたり、したり……したりはないか。されたり!しませんでした!?」

「だ、大丈夫。私モテないんだって」

「なんで?すみれママ、すみれがぼくらからモテモテって喜んでたじゃん」

「あれは……その……でも、私はそういう心配いらないのほんとに」

お母さんがはしゃいでたってだけで。
普通の男の子には全然モテないから。

「はー安心。なんか歩いててラブラブな雰囲気でてるの見かけると、心配になるんで。でもまぁ?近いうちにオレもすみれとラブラブに……くふふっ」

先頭を歩く太陽くんは、一人楽しげ。

「ま、叶わなくても妄想するのはタダだしな」

「確かにっ」

「頭の中で架空の幸せにひたれるもんね」


「ちょっと!架空の幸せとか、叶わなくてもってなんです!?」

振り向いた太陽くんに、蒼葉くんと双子はは顔をそらす。
すると、不意に橙果くんが足を止めた。

「僕が思うに、今はまだすみれちゃんに好きって思う気持ちを言わないだけで、この先まだ行事が残ってるだろう。告白の有無を安心するのは早いと思うな」