花系男子はアナタっ子


一回目の曲が終わり、足をとめる。

「ありがとう。僕と踊ってくれて。可愛い顔がすぐ近くで見れて……とても嬉しいよ」

くす、っと笑ってすくった私の手の甲に、橙果くんは口付けた──

「っ!?」


え!?、とか……

はぁ!?とか、あー!!とか、

近くから聞こえてくる声。双子と太陽くんのものだけど……
見ていた女子からも声があがった。


「と、橙果く……」

「お礼だよ。君にしかしないお礼。でも思ったより可愛いリアクションが見れた」


照れる私に笑いかける橙果くん。
驚きを通り越してしまって、私はうつ向くしかなかった。

「ちょーっと待ったぁ!っと……お兄さんやりすぎでは!?見てましたよオレは!!」

「僕も」

「ぼくもだってば!」

ダッシュでこちらに来た太陽くんたちは、私たちの間に割って入ると、強引に私を蒼葉くんが一人待つとこまで連行された。


そこからキャンプファイヤーが終わるまで、私は双子と太陽くんから離されなかった──