花系男子はアナタっ子





ん──?



なんか話し声が聞こえる……なんだろ。

閉じられてたまぶたを薄くあければ、
大変不機嫌そうな蒼葉くんが見えた。


「あ!起きた!」

「……ん?」

逆さまの太陽くんの顔が視界を埋めつくす。

──あれ、私……寝てたの?

状況を把握するために、まばたきをして周りを見渡す。
部屋には、橙果くんも戻ってきていて、三人が私たちを囲むようにしていた。


「えっ、今何時!?」

「もうすぐ夕ご飯の時間だよ。僕ら、かれこれ一時間くらいはここに居るんだけど……三人とも熟睡していたからそのままにしてたんだ」

うっそ……
慌てて時計を見ようと、首をねじった。

「そんな時間になって……ひゃっ!?」

だけど、くっついていた夢莉くんの吐息がかかってくすぐったく……

「んふふ、すみれあったかい……」

そんな夢莉くんを、蒼葉くんはすごい形相で見下ろし、


「駄目だよ蒼葉くん。その手引っ込めて。気持ちはすっごーく分かるけど。太陽くんも」

「……双子、お前ら復活したらみとけよ」

「みとけー!……んあー!でもくそ羨ましすぎるんですけどぉ!?」