花系男子はアナタっ子

真っ直ぐ見つめられ、思っていた必要なものと違ったから、すぐには言葉が見つからなくて。
目を泳がせれば、夢莉くんも体を起こしていたけど千莉くんを見て目を丸くしていた。


「……だめ?」

こてん、と綺麗なベビーフェイスが小首を傾げる。

「え、えと……わ、私はここにいる、よ?」

私がいいと言われても、同じ空間に居るわけだしっ……手だって繋いでるんだよ?
他に何をしたら──


「ぼくも、すみれが欲しい」

「ほっ……!?」

欲しい!?
今度は夢莉くんも似たようなことを言ったけど……


「それはそのっ、どうしたらい、いいと言いますか……」


駄目だ。
ちょっと頭の中が混乱してきた。
ろれつがまわらなくなりそう……