花系男子はアナタっ子

そんな私をとらえ、目が合うなりすぐ嬉しそうな目でにこりと笑う夢莉くん。

「大丈夫?何か必要なら持ってくるけど」

「必要なもの……?」

「うん。飲み物でもタオルでも。して欲しいこととか、なんでも言っていいからね」

頭に響かないよう、極力小さな声で伝えれば、夢莉くんは考えているのか、俯いて黙り込む。
すると、すぐ横で寝ていた千莉くんが私の手をより強く握り、体を起こした。

「千莉くん、大丈──」


「なんでもいいんだよね」

「え?う、うん。私が出来る範囲内なら」

いつの間に起きてたんだろう、とは思うけど聞きはしない。
頷いた私に千莉くんは、顔を寄せる……



「じゃあ……すみれがいい」

「えっ?」