──ずっと二人に手を握られたまま。
顔色は、最初に見た時よりは増しになったかな、ってレベル。
……やっぱり、開花時期が関係してるのかな。
アルストロメリアはすでに開花シーズンを終えてる花だし。
……でもひまわりの太陽くんは全然元気なんだよね。
なんでだろうと夏休みの終わりにこそっと蒼葉くん聞いたことがあったけど、アイツは鈍いだけって話だったし。
花の個体にもよるってことか。
「んん……」
──あっ。
うなり声とともに、もぞもぞと動き出したのは夢莉くんだった。
うっすらと目を開ける夢莉くんの顔を私は覗く。



